GMRES法
ぎーえむれす

説明

GMRES法は、非対称行列にも適用可能な Krylov 部分空間法の一種であり、残差を最小化するように次元を拡大していく反復ソルバである。m 次の Krylov 部分空間中で解の近似を求め、Arnoldi 分解を通じて Hessenberg 行列系を解くことで残差最小の解を更新する。GMRES は共役勾配法のような短い 3 項間の漸化式が存在しないため、メモリ消費と計算量がステップ数とともに増大する欠点があるが、非対称・非正定の一般行列に対してロバストに適用できるメリットがある。CFD において、圧力方程式や非線形項を線形化した大型疎行列系を解く際に、ILU 前処理付き GMRES がしばしば利用され、高速化の要となっている。