共役勾配法
きょうやくこうばいほう
説明
共役勾配法は、対称正定値の線形連立方程式 A x = b を解くための効率的な反復ソルバである。勾配降下法における残差の探索方向を直交化(共役化)することで、理論的には n 元の系を高々 n 回の反復で厳密解に到達させることができる(数値誤差を無視すれば)。実際には前処理を組み合わせて数十~数百回程度の反復で十分な収束に至ることが多い。共役勾配法はメモリ使用量が少なく大規模系に適し、CFDではポアソン方程式(対称正定値な拡散支配系)の解法としてよく用いられる。制約として行列 A の対称性が必要であり、非対称系には適用できないため、その場合は GMRES など他の手法を用いる。