陰解法
いんかいほう
説明
陰解法は、時間積分において次時刻の値を含む方程式を解く手法であり、一般形は y^{n+1} = y^n + Δt F(y^{n+1}) のように暗黙的に定義される。代表例はオイラー陰解法で、安定性が高く大きな Δt でも計算を進められるが、毎ステップで非線形方程式(または連立線形方程式)を解く必要がある。流体解析では、線形化や予測子–補正子によって陰的に速度・圧力場を解く手法が取られ、非圧縮性解法や高 Re 数拡散支配問題で頻繁に用いられる。陰解法は安定性に優れるため CFL 制限を超えたステップが可能だが、時間精度や計算コストとのバランスを考慮し、陽解法とのハイブリッド(例えば IMEX 法)も研究されている。