陽解法
ようかいほう
説明
陽解法は、時間積分において現時刻の既知値から直接的に次時刻の値を計算する手法の総称である。時間離散の一般形が y^{n+1} = y^n + Δt F(y^n) のように、未来の値が現在の値とその勾配から陽に与えられる。典型例はオイラー陽解法で、これは一階精度だが非常にシンプルである。陽解法は 1 ステップの計算コストが低く並列化もしやすい反面、安定性条件(CFL条件など)により Δt が厳しく制限される場合がある。流体方程式では高解像度かつ高速な時間発展が可能な Runge–Kutta 陽解法(二段・四段など)も広く使われている。陽解法は初期値問題との相性が良く、大規模計算では極めて重要な役割を果たす。