SIMPLE法
シンプルほう
説明
SIMPLE法は、非圧縮性流体のナビエ–ストークス方程式を解くための圧力–速度連成解法の一つであり、Patankar と Spalding によって開発された。圧力場を直接方程式として持たない非圧縮性条件 (∇·u = 0) に対し、SIMPLE法では仮の圧力場を用いて速度場を計算し、その後圧力補正方程式を解いて質量保存を満たすよう速度を補正する。具体的には、まず運動量方程式から予測速度を求め、次にその速度から連続の式を離散化した圧力補正方程式(ポアソン型)を解き、圧力と速度を更新する。SIMPLE法は逐次的に圧力–速度を修正していく手法で、収束には複数の反復が必要となるが、実装が簡便で広く用いられている。主に定常問題向けだが、緩和係数の調整で非定常にも応用される。