TVD法

説明

TVD法は、解の全変動 (total variation) が時間発展で増加しない(振動が増えない)ことを保証するスキームの総称である。Harten によって提唱された条件で、TVD性を満たすことで非物理的なオーバーシュート・アンダーシュートのない安定解を得ることができる。具体的には、空間離散にフラックスリミッターを導入し、解の傾きが急峻な場所ではスキームを一次精度の風上に戻し、滑らかな部分では高次風上を適用するように切り替える。TVD リミッターには Superbee, Minmod, Van Leer など多数の種類があり、それぞれ解の鋭さと安定性のトレードオフが異なる。TVD法は単調性保持が重要な衝撃波捕捉問題で広く使われている。