MUSCL法

説明

MUSCL法は、Monotonic Upstream-centered Scheme for Conservation Laws の略で、保存則を解く高解像度スキームの一種である。Roe と van Leer によって開発されたこの手法では、各セル内で線形傾きを持つ局所的な線形関数を仮定し、その傾きをリミッターによって適切に調整することで、風上 2 次精度と単調性(無振動性)を両立させる。MUSCL法により、もともと一次精度だった Godunov 法を二次精度に拡張することが可能となった。実装上は、隣接セルの値から勾配を推定し、もし勾配が符号反転など不安定の兆候を示す場合にはリミッターで値を緩和することで、解の滑らかさと鋭い変化の両面をバランスよく捕捉できる。