風上差分
かざかみさぶん

説明

風上差分は、移流項の離散化において流体の流れ方向(風上側)の値を用いる差分スキームで、流出超過のない安定な計算を実現する基本的手法である。一次精度の風上差分は数値粘性が大きく解に拡散的な影響を与えるものの、流速方向に応じて式を偏立させることで情報伝播の物理に適合し、非振動で安定した結果を与える。例えば一階風上では ∂φ/∂x ≈ (φ_P – φ_up)/Δx(風上点 up から下流点 P への差分)とする。風上スキームは高解像度化のため二階・三階風上や TVD スキームへと拡張され、多くの圧縮性コードでリミッターと組み合わせて用いられている。