厚みのない壁
あつみのないかべ
説明
厚みのない壁とは、メッシュ内において幅 0 の内部壁境界条件を課す手法で、非常に薄い板や隔壁を数値的にモデル化するために使われる。通常、壁は有限の厚みを持つ固体領域として表現されるが、厚みが流体計算格子よりも十分小さい場合、壁セルを設けることなく面要素に境界条件を与える。CFDにおいては壁面上で流速の no-slip 条件(速度ゼロ)や熱流束条件などを課し、壁の裏表で別々の流体領域を定義する。これにより、薄板の影響(圧力損失や渦発生)は考慮しつつ、複雑な薄壁構造のモデリングを簡素化できる。ただし、壁内部の伝熱や構造は表現されないため、必要に応じて適切な補正を加える。