重合格子
じゅうごうこうし

説明

重合格子(オーバーセットグリッド)は、互いに重なり合う複数の格子ブロックを用いて計算する手法で、それぞれの格子は独立に生成され互いに一部が重複して配置される。重なった領域で一方の格子解を他方に境界条件として与えることで、全体として連続な解を求める。オーバーセット格子は、移動物体を含む複雑な形状周りの流れに威力を発揮し、例えば航空機のプロペラや多体問題で各物体周囲に適切な格子を配置しつつ、相互の位置関係が変化しても再メッシュを要しない。欠点として、重なり領域の解の伝達に伴う精度低下や、不要なセル数の増加があるが、実用上許容される範囲で広く使われている。