LES
説明
LESは乱流の大規模な渦構造を直接計算し、小さい渦のみモデル化するアプローチである。ナビエ–ストークス方程式に空間フィルタを適用し、格子で解像できないサブグリッドスケール(SGS)の効果だけをモデル化する。フィルタ後の運動量方程式にはサブグリッド応力項が現れるが、これをSmagorinskyモデルなどで閉じて計算する。LESでは大きな渦(エネルギー含有スケール)が数値的に忠実にシミュレーションされるため、RANSより詳細な乱流構造が得られる。計算コストはRANSより高いが、壁面近傍以外の流れでDNSに近い精度を比較的低コストで実現できるため、複雑な渦運動の解析に用いられる。