簡略モデル
かんりゃくもでる

説明

簡略モデル(Reduced-Order Model, ROM)は、高次元の CFD シミュレーション結果から本質的な低次元構造を抽出し、計算コストの低いモデルとして利用する手法である。代表的な手法に固有直交分解 (POD) やダイナミックモード分解 (DMD) があり、これらで得られた基底関数やモードに基づいて、流れ場を少数の自由度で記述する。例えば、渦放出を伴う流れでは主要なモードのみで周期的挙動を近似したり、パラメータスタディを迅速に行うために ROM が使われる。また、ROM は制御理論やデジタルツインにも応用され、センサーデータからリアルタイムで流れ場を予測するような高度な利用も模索されている。ROM の課題は適用範囲の限定や精度劣化であり、元のシミュレーションとの誤差評価が重要となる。