浸漬境界法
しんしきょうかいほう
説明
浸漬境界法は、物体境界を計算格子に一致させずに、デカルト格子など簡易格子上で境界条件を与える手法である。Peskin により心臓弁シミュレーションのため提案された。物体の輪郭近傍の格子点に特別な力(ラグランジュ乗数的なソース項)を加える、もしくは流体変数を補間して境界条件を満たすよう修正することで、曲面をあたかも格子上に存在するかのように扱う。これにより、複雑形状でも容易に格子生成ができ、物体の移動や変形にも格子を再生成することなく追従可能となる。IB法は微小なギャップや多体問題にも有効だが、境界近傍の精度や境界層の解析には注意を要する。流体-構造連成や粒子分散流などで広く研究されている。