MPI (メッセージパッシングインターフェイス)

説明

MPIは、分散メモリ並列計算の事実上の標準インターフェイスであり、複数の計算ノード(プロセス)間でメッセージ通信を行うためのライブラリ規格である。CFDでは、MPI を用いて領域間のデータ(主に境界上のセル情報)を交換し、全体として並列に計算を進める。MPI には点対点通信(Send/Recv)や集団通信(Broadcast, Allreduce など)といった機能があり、非同期通信で重畳計算を行うことで通信隠蔽も可能である。MPI は C/C++ や Fortran から利用でき、スーパーコンピュータから PC クラスタまで幅広く対応している。MPI 並列の性能は、通信ネットワークの帯域やレイテンシに左右されるため、大規模並列では通信最適化と負荷分散がスケーラビリティ確保の鍵となる。