衝撃波適合法
しょうげきはてきごうほう
説明
衝撃波適合法は、流れ中の衝撃波面を計算格子とは独立した移動境界として明示的に追跡・計算する手法である。数値計算中に衝撃波位置を曲面として捉え、その両側でオイラー方程式の解を別々に計算しつつ、衝撃波面上で衝撃波の跳躍条件(ランキン–ユゴニオ条件)を課すことで、衝撃波を厳密に薄い不連続面として扱う。この方法では衝撃波は計算格子に跨らずシャープに表現されるため、人工拡散によるぼやけが無く、高精度な衝撃波形状・強度が求まる利点がある。しかし実装の複雑さや、衝撃波と他の不連続や干渉がある場合の処理が難しいため、現代のCFDでは一般的ではない。一部の研究的手法や特定問題(例えば単純波系)で用いられるものの、多くの場合は衝撃波捕獲法が実務上採用されている。