自由表面流れ
じゆうひょうめんながれ

説明

自由表面流れは、液体とそれに接する気体との界面(自由表面)を持つ流れであり、その界面が外力に対して自由に変形しうる流動を指す。具体例として河川や海洋の水面流れ、コップ中の液体表面、ダム越流時の水流などが自由表面流れにあたる。自由表面では、垂直方向の法線応力が大気圧など一定で、界面に平行なせん断応力はほぼゼロとなる。そのため液体は界面で外気圧と釣り合うように振る舞い、重力場では静止時に水平な水面を形成する。自由表面流れでは界面の位置が未知数となるため、VOF法やレベルセット法、SPH法などで界面追跡・捕捉が行われる。例えば造波プールの波動解析や鋳造時の液面挙動予測など、自由表面の動的挙動をCFDで再現するには、表面張力効果や砕波時の気泡発生も考慮したモデルが必要になることがある。