自然対流
しぜんたいりゅう

説明

自然対流(自由対流)は、外部からの強制的な駆動(ポンプやファン)が無い状況で、主に流体の密度差による浮力が駆動源となって起こる対流現象である。典型例として、暖房器具の周囲で暖かい空気が上昇し冷たい空気が下降する室内空気循環や、液体の加熱により生じる湯の自然撹拌が挙げられる。温度差や濃度差によって生じた流体内の密度差(重力場中では浮力)により流れが発生し、熱や物質が輸送される。一方、扇風機やポンプで流れを起こす強制対流と異なり、自然対流の強さは温度差や物性(レイリー数など)に依存するため、熱設計ではそれが十分か検討が必要である。CFDでは重力項と状態方程式から浮力を計算し、自然対流による流れ場と熱移動を予測する。例えば電子機器冷却で筐体内の空気流れを自然対流に頼る場合、装置レイアウトや通気口配置はその循環を促すよう配慮される。