相似則
そうじそく

説明

相似則は、異なるスケールや条件の流体現象であっても、支配方程式の無次元化により同じ無次元数の組み合わせが得られる場合、両者の流れ場が相似(似た挙動)になるという法則である。例えば、風洞試験で縮尺模型を用いる際、実機と同じレイノルズ数やマッハ数を再現すれば、抗力係数や揚力係数など空力特性が一致すると期待できる。完全相似には幾何学的相似(形状の縮尺が一定)、運動学的相似(速度分布が相似)および動的相似(力の比が相似)の条件が必要で、無次元数(レイノルズ数、フルード数、マッハ数等)を一致させることがその指標となる。例えば船舶模型試験では、重力効果を重視しフルード数を一致させる一方、レイノルズ数不一致による粘性影響の差は経験的に補正する。相似則は、実験結果のスケーリングや、異なる流体間の現象対応づけ(例えば水中試験と空中現象の比較)に広く用いられる基本原理である。