混合対流
こんごうたいりゅう

説明

混合対流は、自然対流(熱による浮力駆動の対流)と強制対流(外部から与えられる流れ)とが同時に作用する状況で発生する対流である。例えば、パイプ内を液体が流れる中で加熱される場合、下部では浮力で上向きの自然対流成分が、しかし主流は水平に強制対流しているというように、二つの駆動要因が競合する。混合対流では、流れの形態が浮力と外力の相対的な強さ(グラスホフ数とレイノルズ数の比など)によって変わり、浮力優勢の場合は自然対流に近い流れ、外力優勢の場合は強制対流に近い流れとなる。ケース内でファンを動かしても温度差がある場合など、多くの実際の場面で混合対流は見られる。設計・解析上は、純粋な自然対流や強制対流の相関式では当てはまらないことがあるため、混合対流用の評価式(例えばリチャードソン数に依存した熱伝達相関)を用いて評価する。混合対流はHVACや電子機器冷却などで頻繁に登場するため、実務者にとって重要な概念である。