核生成
かくせいせい
説明
核生成は、新たな相(気泡や液滴など)が均一な相の中から発生する過程であり、沸騰では液体中に気泡の胚が生まれる現象を指す。核生成には、自発的に均質系から生じる均質核生成(液体内部で微小気泡が統計的揺らぎで発生する)と、異種の界面(容器壁や不純物粒子)を核として生じる不均質核生成がある。実際の沸騰では、不均質核生成が支配的であり、加熱面の微細な欠陥や粗さ、析出物などが気泡核の発生サイトとなる。核生成にはエネルギー障壁があり、過熱度が十分高くなるか、核となる表面の濡れ性や形状が適切でないと気泡は成長せず消えてしまう。核生成理論は、臨界半径の気泡が成長する条件(ヤング–ラプラスの式に基づく)を導き、沸騰開始の予測に用いられる。また、凝縮や氷結など他の相変化現象でも核生成の概念は重要である。