数値風洞
すうちふうどう
説明
数値風洞とは、航空機などの機体周りの風洞試験を、高性能計算機によるCFDシミュレーションで代替しようとする概念である。実際の風洞装置を使わず、計算機上で仮想的に風洞試験と同等の解析を行うもので、30年ほど前から提唱されてきた。計算流体力学の高精度化とスーパーコンピュータ性能向上により実現が進み、1日あたり400ケース以上のCFD解析で風洞試験(約200ケース/日)の代替を目指す取り組みもある。数値風洞は風洞壁の干渉や模型製作の制約が無く、全飛行包絡におけるデータ取得や飛行試験代替・認証代替(CbA)への展望もある。ただし計算格子生成や乱流モデルの精度、計算コストなど課題も多く、実風洞との融合(データ補完やハイブリッド解析)が模索されている。