強制渦
きょうせいうず
説明
強制渦は、流体に外部から強制的に回転運動が与えられている渦で、周速度𝑣が回転中心からの半径𝑟に比例する(𝑣∝𝑟)特徴を持つ。これは剛体回転と同様の速度分布であり、渦内部の流体要素は形を崩さず一体となって回転する(各微小要素も自転を持つ)。典型例はコーヒーカップを回すと液体全体が一緒に回るような状況や、遠心装置内の液体の回転などが挙げられる。強制渦では中心ほど角速度は同じであっても線速度は小さく、渦度は一様な定値となる。また外部からエネルギーを与え続けないと維持できず、外力が無くなると粘性によりやがてエネルギーが散逸して渦は崩れる。強制渦単独の自然界での例は少ないが、多くの実渦の中心近くが外力・圧力によって強制渦的に回転しており、その部分では流体要素の慣性力や遠心力が支配的になる。