二次流れ
にじながれ

説明

二次流れは、主流(一次流れ)に対し垂直な方向に生じる付加的な流れを指す。典型的には、非円形ダクトのコーナー部や湾曲流路(カーブ、弯曲管)において発生する。例えば、矩形ダクトでは4隅に主流軸に対して回転する循環が生じ、これが二次流れとして主流の速度分布に影響を与える。また、90度曲がった配管内では遠心力により流体が外側壁に押され、半径方向に圧力勾配が生じる結果、上下で流体が循環する二次流れ(二次循環)が発生する(これはダクト流れの例とは異なる駆動で、ディーン渦と呼ばれる)。二次流れは主流に比べはるかに弱いが、壁面付近の物質・熱移動を促進したり、粒子の分離・集積に寄与するなど、工学的に無視できない効果を持つ場合がある。解析的に二次流れを扱うのは難しいが、数値流体力学(CFD)を用いることでその詳細を予測でき、内燃機関のポート設計や空調ダクトの最適化などで考慮されることがある。