レイリー・ベナール対流
れいりーべなーるたいりゅう

説明

レイリー・ベナール対流は、水平な流体層を下部加熱・上部冷却したときに一定の臨界条件を超えると発生する対流セル(ベナールセル)による自然対流現象である。静止流体を加熱すると、温度差により密度差が生じ、浮力が粘性と熱拡散に打ち勝つと流体が自発的に対流運動を開始する。この臨界はレイリー数で表され、レイリー数が臨界値を超えるとき、整然とした対流パターンが現れる。典型的には、平面的に六角形やロール状のセル構造が形成され、温かい流体が上昇し冷たい流体が下降する循環が生まれる。レイリー・ベナール対流は、自発的に構造形成する流体現象として研究史も古く、パターン形成や非線形ダイナミクスの例として広範に研究されてきた。気象や地球科学における対流現象の簡易モデルとしても引用され、プラントル数やレイリー数といった無次元数の組み合わせにより対流様式が議論される。