ランキン渦
らんきんうず
説明
ランキン渦は自由渦と強制渦を組み合わせたモデル渦であり、中心核では強制渦の挙動(剛体的回転)、その外側では自由渦の挙動(周速が1/rで減少)を示す渦構造である。半径𝑟𝑐を境に、𝑟<𝑟𝑐の領域では𝑣∝𝑟の強制渦、𝑟>𝑟𝑐では𝑣∝1/𝑟の自由渦となる速度分布を持つ。現実の多くの大規模渦(例:台風・ハリケーンの渦、竜巻、渦潮)はこのランキン型で近似でき、中心付近では固体的に回転しつつ外側で逆二乗減衰する。ランキン渦モデルは数学的に扱いやすく、渦の誘導速度計算や圧力分布推定によく用いられる。例えば台風の最大風半径内は目が形成され比較的剛体回転、外側は遠心力支配の自由渦となるため、ランキン渦モデルで風速や気圧分布の定性的理解が可能である。