ブラジウス解
ぶらじうすかい

説明

ブラジウス解は、平板に沿う層流境界層の速度分布を与える古典的な解析解である。19世紀末にブラジウスによって得られた解で、ナビエ–ストークス方程式を境界層近似して相似変数を導入することで微分方程式を解いた結果として導かれた。ブラジウス解によれば、平板境界層の厚さは下流に行くほど \(\delta \sim 5.0 \sqrt{\nu x / U_\infty}\) のように成長し、壁面摩擦係数は \(C_f \approx 0.664 / \sqrt{\mathrm{Re}_x}\) で減少する(\(\mathrm{Re}x\)は局所レイノルズ数)ことが示される。速度分布は自ら相似な形状を保ち、\(\eta = y \sqrt{U\infty/( \nu x)}\) を相似変数として速度勾配の方程式を数値的に解くことで求められる。ブラジウス解は、境界層概念の確立に大きく貢献し、平板摩擦抵抗の評価や境界層理論の基礎として教科書的に扱われる。不確かさの少ない基準解として、数値計算の検証にも用いられる。