オゼーン近似
おぜーんきんじ
説明
オゼーン近似は、ストークス近似を改良してわずかな非線形効果(慣性項の一次項)を取り入れた流体運動方程式の線形化手法である。ストークス流れでは慣性項を完全に無視するためある範囲以上のレイノルズ数では誤差が大きくなるが、オゼーン近似では一定の定常流れを基準流として慣性項を微小擾乱として扱うことで、その影響を一部考慮している。これによりストークス近似より高いレイノルズ数領域(ただし依然小さい範囲)での抵抗や流れの解を改善することが可能となる。オゼーン近似は典型的に緩慢に移動する物体周りの流れ解析で使われ、ストークス解に補正項を加える形で物体抗力の近似解を与える。例えば緩やかに流れる粘性流中の物体に働く力を評価する際、オゼーンの抵抗式がストークスの抵抗式の補正として用いられることがある。