オイラー方程式
おいらーほうていしき
説明
流体力学におけるオイラー方程式は、粘性のない完全流体(非粘性流体)の運動を記述する方程式である。ナビエ–ストークス方程式から粘性項(および熱伝導項)を除いた形となっており、流体の質量・運動量・エネルギーの保存則を表す偏微分方程式の系で構成される。オイラー方程式は、流体内部に粘性によるエネルギー散逸がない理想的状況を仮定しているため、境界層の生成や乱流のような粘性効果は記述できない。しかし、高レイノルズ数で摩擦の影響が小さい領域(例えば境界層外部の外部流れ)や、解析を簡略化する初期近似として有用であり、エネルギー式を含めた保存形でCFDに実装されることも多い。