気泡率
きほうりつ

説明

気泡率(ボイド率)は、二相流における気相(蒸気相)の体積占有率を示す量である。断面積あたりの気相体積の割合として定義され、0から1の無次元量となる。例えば、水と蒸気の混相流で気泡率が0.3であれば、その断面の30%が蒸気で占められていることを意味する。気泡率は流動様式(フローパターン)とともに二相流の力学や熱伝達の挙動を左右する重要なパラメータである。高い気泡率では蒸気による流路断面の閉塞が大きく、圧力損失増大や液体との接触減少による熱伝達低下が起こり得る。気泡率は流れの位置や条件によって変化し、例えば垂直管内沸騰では下流ほど気泡率が増大する傾向にある。モデル化では経験相関式や二相流モデル(例えばホモジナイズドモデルや二流体モデル)で気泡率の分布が予測・計算される。