揚力
ようりょく

説明

揚力は、物体(主に翼)が流体中を移動する際に流体から受ける力のうち、主流方向に垂直な成分の力である。航空機の翼に働く上向きの力が典型例で、翼断面まわりの圧力分布差(上面の低圧・下面の高圧)や流れの偏向によって生じる。揚力の大きさは翼型形状、迎角、流速、空気密度などによって決まり、揚力係数で表される。飛行機が水平飛行を維持するには揚力が重力と釣り合う必要があり、揚力確保のため翼は適切な迎角やカーブを持つ設計となっている。CFDや風洞試験で揚力を解析・予測することは航空宇宙や自動車の空力設計において重要である。また揚力はクッタ条件に従って翼端で渦を伴い、これが航跡渦として飛行機後方に残るため空港では前機との間隔を取る運用がなされる。