ファンモデルを用いた解析事例

概要

送風機や熱交換機における流れを簡単に扱う手法として圧力損失(圧力利得)を考慮するファンモデルがあります。ファンモデルを用いた解析事例として、ファンと発熱体が存在するときの熱流体解析の事例を紹介します。

解析条件

解析領域を図 1 に示します。一部が壁で仕切られた空間にファンと発熱体があります。このとき、発熱体は、壁で仕切られた狭い空間側に置きます。発熱体があることで加熱された空気がファンにより壁で仕切られた広い空間に送り出されます。

図 1. 解析領域(座標の目盛は mm 単位)

項目設定
流体非圧縮性流体(ブジネスク近似)
乱流モデルRANS RNG モデル
空気の密度1.205 kg/m33
空気の熱膨張係数0.003663 1/K
発熱体の温度500 K
ファンの半径100 mm
重力加速度9.8 m/s22

ファンの部分は、通過速度に応じた圧力利得(図 2)を与えます。

図 2. ファンモデルにおける圧力利得

ここで、\(γ=200\), \(κ=100\)としました。

解析結果

図 3 ~ 5 に 5 秒後、25 秒後、100 秒後の温度分布を示します。壁で仕切られた空間の鉛直断面の温度分布から、発熱体により空気が加熱されて上昇気流が生じていることが分かります。また、ファンにより加熱された空気が壁で仕切られた広い側の空間に拡がる様子が見られます。

図 3. 5 秒後(カラーは温度)

図 4. 25 秒後(カラーは温度)

図 5. 100 秒後(カラーは温度)

カテゴリ

熱流体
産業機械

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