Smagorinskyモデル
すまごりんすきーもでる

説明

Smagorinskyモデルは、LES(Large Eddy Simulation)で用いられる代表的なサブグリッドスケール(SGS)乱流モデルです。メッシュより小さい渦による影響をモデル化する手法で、渦粘性仮説に基づきサブグリッド応力を速度勾配に比例する形で表現します。具体的には、渦粘性係数を $ \nu_t = C_S \Delta^2 |\mathrm{S}|$ ($C_S$:Smagorinsky定数、$\Delta$:フィルタ格子サイズ、$|\mathrm{S}|$:速度勾配の第二不変量の平方根)で与え、$\tau_{ij}=-2\nu_t S_{ij}$ によりSGS応力を閉じます。経験的定数$C_S\approx 0.1$程度で多くの工学的乱流に適用可能ですが、定数の非最適性による誤差も指摘されており、その改善として計算中にモデル定数を動的に調整する動的Smagorinskyモデルなどが開発されています。Smagorinskyモデルは簡便さから現在でも広く用いられていますが、小渦から大渦へのエネルギー逆カスケードを表現できない点などが課題です。