着火遅れ
ちゃっかおくれ

説明

着火遅れは、燃焼において点火の瞬間から実際に火炎が生成し燃焼が開始するまでの遅延時間を指す。自着火の場合には、混合気が高温高圧環境にさらされてから発火に至るまでの誘導時間とも言える。この遅れ時間は燃料の反応性、温度、圧力、混合状態に依存し、エンジンのノッキングや高温圧縮着火(HCCI)のタイミングなど実用上重要な指標である。着火遅れ時間は化学反応速度論により定量化され、例えば n-ヘプタンの自着火遅れは数 ms オーダー(条件に依る)で、高温では指数的に短縮される。CFDでは詳細化学反応モデルを用いて誘導期間の反応進行を追跡し、着火タイミングを予測する。