y+(壁面無次元距離)
へきめんむじげんきょり

説明

y+ は壁面からの距離を無次元化した量で、乱流境界層の壁近傍領域の解像度を評価する指標である。定義は y^+ = ρ u_* y / μ(= u_* y / ν)であり、y は壁面からの法線方向距離、u_* は摩擦速度、ν は運動粘度である。y+ が小さい領域(y+ < 5 程度)は粘性底層、y+ ≈ 30 前後は遷移層、y+ > 30 は対数則に従う乱流層とされる。計算格子の分解能として、壁関数を用いる場合は y+ ≈ 30〜100 程度、壁面まで直接解く低 Re モデルや LES では y+ ≈ 1 以下が要求される。適切な y+ の確保は、乱流境界層の精度良い解析に不可欠である。