ラバールノズル
らばーるのずる

説明

ラバールノズルは、収縮部と拡大部を持つ縮流管(コンバージ・ダイバージ)形状のノズルで、気体を亜音速から超音速へ加速するために用いられる装置である。狭窄部(スロート)で音速(マッハ1)に達し、その後の拡大部で膨張することで、気体は超音速に加速される。この原理は等エントロピー流れの一意性から導かれ、スロートで臨界圧力比を超えて背圧を下げると流量がチョークし、以降は背圧を下げてもスロート条件は音速で固定、ダイバージェント部での膨張が進む。ラバールノズルはロケットエンジンやジェットエンジンの噴射ノズル、風洞の超音速試験部生成などに不可欠である。理想的な背圧条件ではノズル内で膨張が完結し、均一な超音速噴流が得られるが、不整合な場合は拡大部内に斜め衝撃波や膨張波が発生し、流れが振動することもある。ラバールノズルは1880年代にスウェーデンのカール・ラバールによって考案され、現在も超音速流体機械で広く採用される基本構造である。