揚抗比
ようこうひ

説明

揚抗比(L/D)は、揚力係数と抗力係数の比、すなわち発生する揚力の大きさに対する抗力の効率を示す指標である。L/Dが高いほど、少ない抗力で大きな揚力を得られるため空力的に効率が良い。航空機においてL/Dは航続性能や滑空性能に直結し、巡航時に最大となるよう設計されることが多い。典型的な旅客機では巡航L/Dは15〜20程度、グライダーでは30〜60に達する。一方、戦闘機など高速機では抗力低減のための設計と任務の兼ね合いからL/Dはやや低くなる。L/Dは迎角によって変化し、ある最適迎角で最大値を取る。これより迎角を増すと抗力の増加が相対的に大きくなりL/Dは低下する。設計上は、翼型の選定、アスペクト比の増大、誘導抗力の低減策(ウィングレット等)によってL/D向上が図られる。L/Dは飛行効率の総合指標であり、燃費や上昇率など多くの性能に影響を及ぼす。