クッタ–ジューコフスキーの定理
くったじゅーこふすきーのていり
説明
クッタ–ジューコフスキーの定理は、循環を持つ2次元の物体(例えば翼型)に作用する揚力を表す基本的な理論式である。定理によれば、単位長さあたりの揚力 \(L’\) は流体密度 \(\rho\)、物体周りの循環 \(\Gamma\)、および流速 \(V\) によって \(L’ = \rho V \Gamma\) と与えられる。揚力発生の本質は物体周囲に発生する非対称な流れの循環にあることを示すもので、翼型に生じる揚力の理論的裏付けとなっている。この定理は、後縁条件(クッタ条件)の成立を仮定することで、ジューコフスキー変換など複素関数論を用いた理論翼型解析で導かれる。クッタ–ジューコフスキーの定理により、渦(循環)を発生させる翼やプロペラの揚力・推力が計算でき、また空力中心や翼端渦などの概念理解にも寄与している。