環状流
かんじょうりゅう

説明

環状流は、高ガス流量下の二相流で見られる流動様式で、液体が管壁に薄い液膜を形成し、管中心部をガスが高速で流れる状態である。液膜には波が生じ、ところどころ液滴がちぎれてガス核中を運ばれる。環状流は乾き度が高い状況に対応し、ボイラー管の出口近くや蒸気発生器内などで典型的に発生する。熱伝達的には、壁面の液膜が熱を受け取り蒸発しつつ、ガス核との間での強いせん断により液膜表面に波動が発達するため、熱伝達係数は比較的高い。しかし、液膜が薄くなるとドライアウト(乾膜化)が起こり、局所的に熱伝達が悪化して壁温が上昇する可能性がある。環状流の解析には、液膜厚さの分布や液滴のキャリーオーバーを考慮する必要があり、多くの場合、経験式やCFDによる3次元シミュレーションで評価される。