気泡流
きほうりゅう
説明
気泡流は、二相流の流動様式の一つで、液体の中に多数の小さな気泡が分散して存在する状態を指す。主に液相が連続相で、気相は離散的な小球状の泡として浮遊している。気泡流は比較的低い気泡率(気相体積率)で見られ、泡同士は独立に振る舞い液体中を上昇・移動する。沸騰開始直後の領域や、気液撹拌系の初期段階で気泡流が観察される。気泡流では液体の乱れや混合が促進され、熱伝達や物質移動が向上する効果がある。力学的には気泡の浮力とドラッグ、気泡間相互作用が支配的であり、気泡サイズ分布やcoalescence(合体)・breakup(破砕)の過程も特性に影響を与える。気泡流を解析するためには、気相を点あるいは離散相とみなすモデル(例えば離散気泡モデルやEuler-Lagrangeアプローチ)が用いられる。