スペクトル解析
すぺくとるかいせき
説明
スペクトル解析は、データ中に含まれる周波数成分を解析する手法であり、フーリエ変換に代表されるように信号を周波数空間で表現する。流体力学では、圧力振動や速度変動などのデータにスペクトル解析を施すことで、支配的な周波数(例えば渦の放出周波数や構造振動周波数)を特定できる。パワースペクトル密度を算出すれば、エネルギーがどの周波数帯域に多く含まれるかが定量化される。スペクトル解析手法には、フーリエ変換の他、窓関数を用いて時間分割した短時間フーリエ変換、自己相関から計算するパワースペクトル推定、さらにマルチターパー法など高精度推定法もある。スペクトル解析の結果は、共振現象の解明や振動源の同定、さらには乱流エネルギーカスケードの検証(-5/3乗則の確認など)にも利用される。