システム同定
しすてむどうてい
説明
システム同定は、入力と出力のデータからシステム(対象)の数理モデルを推定する手法である。ブラックボックス的に動的システムの構造やパラメータを同定するため、制御工学や信号処理の分野で発達した。流体分野でも、未知の流体力学的応答を持つ系に対し、周波数応答試験やインパルス応答から状態空間モデルや伝達関数モデルを構築することが行われる。例えば翼の空気力学的力の動的モデルを時系列データから同定すれば、フラッタ予測や制御に利用できる。システム同定には最小二乗法やサブスペース法、機械学習手法などが用いられ、DMDやPODとは異なり直接的に低次元の力学モデルを得ることが可能である。複雑な流体の挙動を簡潔にモデル化し、シミュレーションと制御設計に橋渡しする技術として重要である。