特異値分解
とくいちぶんかい

説明

特異値分解(SVD)は、任意の行列を直交行列と対角行列(特異値を対角要素にもつ)に分解する手法で、行列のランクやエネルギー成分を調べる際に用いられる基本的な線形代数手法である。時系列データ行列にSVDを適用すると、左特異ベクトル・右特異ベクトル・特異値に分解され、これはPOD解析における空間モード・時間係数・エネルギー寄与にそれぞれ対応する。特異値(の二乗)は固有値問題における固有値に相当し、データのエネルギー分布を示す。SVDは数値的に安定かつ効率的であり、PODやDMDなど多くのデータ解析手法の基盤となっている。また、行列の低ランク近似にも使われ、ノイズ除去やデータ圧縮に応用される。