動的モード分解
どうてきもーどぶんかい

説明

動的モード分解(DMD)は、流体の非定常現象など時系列データから特徴的な空間構造(モード)とそれに対応する時間発展(固有振動数や減衰・成長率)を抽出するデータ解析手法である。DMDでは連続する時刻の場データに対し線形作用素の近似(Koopman作用素の有限次元近似)を行い、固有値・固有ベクトルを算出することで、データに内在する周期的・増減的パターンをモードとして取り出す。例えば乱流の渦構造の中から特定の周波数で回転するコヒーレント構造を抽出することが可能で、PIV計測データや数値計算結果の後処理によく用いられる。DMDは非線形系の振る舞いを線形モードの重ね合わせとして解析する強力な手法であり、流れの安定性解析や低次元モデル化に寄与している。